たまたま聞いていたラジオで
たまたま青春時代の曲が流れて
たまたま初恋の歌だったってだけ
そんななんでもない今日のはなし。
初恋の歌
泣けない女のやさしい気持ちをあなたがたくさん知るのよ
無邪気な心でわたしを笑顔へ導いてほしいの。
ぎゅっとわたしを抱きしめて
chara〜やさしい気持ち
高校生のときに買ったベストアルバムに入ってた最初の曲。
このときわたしは初めてつき合った彼氏に振られて、涙の青春真っ直中でした。
胸が張り裂けそうなほど苦しくて
こんなに不幸なのはこの世に自分だけな気がして、たった一人の相手に振り回されてどうしていいか分からずにいました。
未来が見えない。
このとき聞いたこの曲は、
わたしの失恋ソングとなり、時がたった今も古くわたしの記憶の奥底に沈んだままでいたのです。
わたしは大人になった
たまたま聞いてたラジオでたまたま青春時代の曲が流れて
たまたまそれが初恋のときの歌だったってだけ。
泣けない女のやさしい気持ちをあなたがたくさん知るのよ。
無邪気な心でわたしを笑顔へ導いてほしいの。
ぎゅっとわたしを抱きしめて
車のルームミラーを覗くと後部座席でチャイルドシートに乗っている息子がわたしを見て笑っています。
初恋で失恋ソングだと封印していた曲の歌詞が
今のわたしの気持ちにリンクして大人になったことを実感しました。
大好きだよ
ほかに何もいらない
あなたの幸せを何より願っている
胸が張り裂けそうになるほど苦しくて
こんなに幸せなのは今この世にわたしだけな気がして、たった一人の相手に振り回されている不器用な自分でさえも愛おしい。
我が子を思う気持ちは初恋に似ています。
どうしていいか分からなくて
思うように行かなくて
成功しようが失敗しようが全部が全部愛おしい。
親が歳を重ねて痛感すること。結局わたしは我が子の未来全部を見守ることはできません。
我が子を想う気持ちは失恋に似ています。
これほどまでに人を愛することができるのか
子を持ち母となった今、そんななんでもないことが宝物です。
おわりに
青春時代の大失恋を掘り返すのが怖くって景色や場所、匂いさえ、思い出すことも避けていました。
ふと流れた懐かしい曲を聞いていたら、その気持ち丸ごと今にリンクしていて流れた月日と自分の成長を知れました。
愛する対象を変えて
わたしは妻となり母となり今に至ります。
これまでの歩みに感謝して、今日一日を大切に過ごしていこう。
無邪気に眠る我が子を見て、幸せを実感する今日の私です。